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ボルボS80にスウェーデンで乗る。


素晴らしいインテリア

 最初に乗ったのは3.2リッター直6。試乗コースは高速道路とカントリー・ロードを走る200kmだ。
 インテリアは旧型から見違えるほど良くなった。試乗車の内装は目にも鮮やかなアイボリー。シート、ドアの内張り、ステアリング・ホイール、そしてセンター・スタックと呼ばれる板状のセンター・コンソールまで白。室内全体が北欧のナチュラルな白木の家具のようで、とても上品である。デザインもモダンで品質も高く、「美しい」とハッキリ言える素晴らしい内装だ。大きめのシートの掛け心地の良さも魅力のひとつ。
 3.2リッター直6はフラット・トルク型で6500rpmのレブ・リミットまで軽々と吹け上がるスムーズさが気持ちいい。
旧型よりヒップ・アップした後姿がいい
旧型よりヒップ・アップした後姿がいい。
アイシン製6ATは変速ショックが小さいだけでなく、ギアトロニックによる手動シフトにも俊敏にこたえる。また、新たに可変バルブタイミング機構と可変吸気システムを備え、トップ・エンドで元気が良く、すばやい加速態勢に入れる。スウェーデンの高速道路をゆったりと走る他車のクルマの追い越しにはまったく痛痒を覚えなかった。
 Dレインジにおける100km/h巡航はわずか1850rpm。サイド・ウィンドウを5mm厚くしたという新型はいたって静かである。
 路面状況に応じてダンパーの減衰力を自在に変化させるボルボのシャシー・コントロール「FOUR-C」は直6とV8に標準装備。おかげで速度域を問わず姿勢はフラットで乗り心地はいい。テール・スクウォット、ノーズ・ダイブの制御も上手だ。

VOLVO S80
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ボルボS80
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モダンで上質なインテリア。スカンジナビアン・ラグジュアリー!
力強いV8

 V8モデルに乗り換える。こちらの内装はブラックで精悍だ。走っても勇ましい。右足に力を込めるとウォォンという太い排気音とともに強烈な加速が味わえる。直6より太い245/40R18タイヤのせいで、ややゴツゴツした乗り心地。高速コーナーが続く田舎道で「FOU-C」を最もスポーティなアドバンスト・スポーツにして攻めてみた。乗り心地はさらにガチガチだが、ステアリングやスロットルの反応は素早くなって痛快だ! 安定した姿勢でコーナーを駆け抜けていく。0-100km/h加速はボルボで最も速いS60Rより0.4秒も速い6.5秒。V8モデルの魅力はエキサイティングな移動をもたらすところにある。確かにアメリカではこの方がウケるかもしれない。
 でもどっちが良かったか? と聞かれれば私は3.2リッター直6がいい。
 カラっと晴れ渡った青い空。入り江に点在する赤い壁のサマー・ハウス。沖に浮かぶ白いヨット。そんな風景のなかを走るのには、静かで乗り心地のいい直6モデルがすごく合っていた。気持ちがおだやかになっていく。スカンジナビアン・ラグジュアリーの本質は、やっぱり“優しさ”ではないだろうか。
 直6モデルからは従来からのボルボが持っている安心感と安らぎがヒシヒシと伝わってくるのである。
 新型S80の日本上陸は07年初頭。価格はライバルのメルセデス・ベンツEクラスやBMW5シリーズよりちょっと低めで直6が約630万円、V8は約750万円になる予定。若返った新型は日本でもヤング・エグゼクティブがターゲットだ。
ボルボS80
(上)スッキリしたデザインで視認性のいいメーター。
(下)長距離ドライブでも疲れ知らずのシート。オプションでベンチレーテッド・シートも設定されている。ゆったりとした後席にはシートヒーターも標準装備。

アクティブ・セイフティでは先進の技術が導入された
ブレーキ・アシスト付衝突警告装置はレーダーで障害物を検知
アクティブ・セイフティでは先進の技術が導入された(ただし、電波法の問題で日本仕様は未導入)。アクティブ・クルーズ・コントロールはレーダーにより前走車との車間距離を継続的に計測し、30km/hから200km/hの範囲で自動追走する。
ブレーキ・アシスト付衝突警告装置はレーダーで障害物を検知、ドライバーに警告するとともに制動力をサポートする。
  
 VOLVO S80 3.2
駆動方式FF
全長×全幅×全高4850×1860×1488mm
ホイールベース2836mm
車両重量1720kg
エンジン形式横置き 直列6気筒DOHC
排気量3192cc
ボア×ストローク84×96mm
最高出力238ps/6200rpm
最大トルク32.6kgm/3200rpm
ギア・ボックス6AT
サスペンション形式 前マクファーソン・ストラット+スタビライザー
サスペンション形式 後マルチリンク/コイル
ブレーキベンチレーテッド・ディスク
タイヤ225/50R17
車両価格(本体)未定




(2006年9月号掲載)


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