ENGINE online/エンジン オンライン

アヴァンギャルドな名門


THE LEGEND of AUDEMARS PIGUET #2
スイス最高峰ブランド、オーデマ ピゲの歴史的名作を讃える!
アヴァンギャルドな名門


1875年に2人の時計師が創業した時計ブランド、オーデマ ピゲは、最高峰ブランドを謳われ、世界にその名を知られるようになった今もなお、その一族が経営を続ける稀有な時計メーカーだ。彼らが打ち建てた数々の金字塔とともに、オーデマ ピゲの魅力を探った。


文=中村光宏(本誌) 写真=鈴木 勝/オーデマ ピゲ ジャパン



 名門と呼ばれる時計ブランドは数あれど、冠する名と同じ創業者一族が今も経営するブランドは少ない。多くが投資家や資産家の所有になっているからだ。開発に莫大な投資が必要な機械式時計業界への、潤沢な資金を持つ彼らの参入は悪いことではない。しかし、長期的視野が必要なブランド戦略に創業者一族が携わることの利点もまた、計り知れない。
 1875年、当時最高の技術を持つ2人の時計師が立ち上げた「オーデマ ピゲ」は、今なお一族が運営する数少ない時計ブランドの1つ。同族経営だからこその目先の利益に囚われない名誉を重んじる製品開発で、時計史に残る功績を上げてきた。
 そこに一貫するのは“アヴァンギャルド”精神だ。普通の経営者の感覚では到底できない思い切った製品作りや、長年月を要する新技術開発に積極的に取り組んできた。だからこそ今日の最高峰ブランドとして認められてきた。
 人気の「ロイヤル オーク」はその象徴だ。発表された1972年当時、このモデルは、ビス留めベゼルに代表されるアヴァンギャルドなデザインと手の込んだ作りにより、ステンレス製にもかかわらず金時計より高価だった。普通なら企画段階でお蔵入りになりそうなものだが、オーデマ ピゲはこのスポーツ・ウォッチを世に出した。そしてラグジュアリー・スポーツウォッチという新たな市場を創出した。
 どんな古典も誕生した時はアヴァンギャルドだった。伝統は前衛のみが作る。オーデマ ピゲの歴史が、そのことを身をもって証明している。

オーデマ ピゲ ― 最高の腕時計!
クリックすると拡大
オーデマ ピゲ ― 最高の腕時計!
ル・ブラッシュ&ジュネーブ
(1930年代後半の広告から)


(左上)
下の3つの四角い窓で「月」「曜日」「日」をディスク表示するフルカレンダー・オープンフェイス・ポケットウォッチ。

(左下)
12時位置に4年で1周する月表示を持つパーペチュアルカレンダー・ポケットウォッチ。「月」「日」「月齢」「秒」の各表示付き。当時の技術の粋を集めたもの。

(右上)
上の四角い窓で「時」を、下の半円状の窓で「分」を表示する男性用のジャンピングアワー・ウォッチ。

(右下)
上の大きな半円状の窓はムーンフェイズ表示、下のインダイアルは「秒」を表示する。男性用の月齢表示機能付き腕時計。


ジュール・オーデマとエドワール・ピゲ、オーデマ ピゲ社を設立
1875
ジュール・オーデマとエドワール・ピゲ、オーデマ ピゲ社を設立
当時、時計師として最高の地位である「仕上げ職人」だった2人が
ル・ブラッシュにて創業した。
世界初のミニッツリピーター・ウォッチ
1892
世界初のミニッツリピーター・ウォッチ
腕時計が普及しはじめたこの年、世界初のミニッツリピーター・ウォッチの開発・製作に成功。
1909
究極のグランドコンプリケーション・ポケットウォッチ
英国・ロンドンのサー・ジョン・ベネットのために製作された、グラン&プチソヌリ、ミニッツリピーター、クロノグラフを搭載する複雑時計。
1910年に完成したル・ブラッシュの工場
1910
1910年に完成したル・ブラッシュの工場。今は「オーデマ ピゲ博物館」として、オーデマ ピゲが生み出したたくさんの名品や貴重な資料が収められている。
わずか1.64mmという極薄の手巻きキャリバーを発表
1946
世界最薄の手巻きウォッチ
わずか1.64mmという極薄の手巻きキャリバーを発表。それを搭載した世界最薄ウォッチを製作。
ジャック・ルイ・オーデマ(右)とエドワール・ピゲの息子、ポール・エドワール・ピゲ(左)
試作品を前に、新しいキャリバーについて話し合うジュール・オーデマの孫、ジャック・ルイ・オーデマ(右)とエドワール・ピゲの息子、ポール・エドワール・ピゲ(左)。(1953年)
「ロイヤルオーク」デビュー!
1972
「ロイヤルオーク」デビュー!
船窓のデザインをベゼルにあしらった「ロイヤルオーク」は、今なお世界中で大人気。当時はステンレススティールにもかかわらず超高価なスポーツ・ウォッチだった。
世界初の薄型自動巻きトゥールビヨン・ウォッチ
1986
世界初の薄型自動巻きトゥールビヨン・ウォッチ
世界最小のケージを持つ、世界初の薄型自動巻きトゥールビヨン腕時計を製作。手の込んだ、美しい文字盤にも注目!
「ロイヤルオークオフショア」誕生!
1993
「ロイヤルオークオフショア」誕生!
ロイヤル オークのスポーツ色をさらに強めたコレクション「ロイヤル オーク オフショア」登場!
究極のグランドコンプリケーション・ウォッチ
1994
究極のグランドコンプリケーション・ウォッチ
グラン&プチソヌリ、2種類の音色で時を知らせるクオーターリピーターを搭載する、世界初のコンプリケーション・ウォッチを開発。それまでは懐中時計でしか存在しなかった超複雑腕時計。


最新モデルはレースカーから
自社ムーブメント「cal.3120」搭載
最新モデルはレースカーから
さらに力強く、モダンに変身した「ロイヤル オーク オフショア」の最新作「グランプリ」には、最新テクノロジーがギッシリと詰まっている。
自社ムーブメント「cal.3120」搭載
世界初のコンセプト、ラグジュアリー・スポーツウォッチの市場を成功させた「ロイヤル オーク」に、待望の自社製キャリバーが搭載されたのは2005年のこと。



※価格は雑誌掲載当時のものです。


2010年8月号掲載


 
 
最新記事一覧
Driving Lesson
エンジン・ドライビング・レッスン
「エンジン・ドライビング・レッスン2017」の受講生募集を開始します。今年の開催は全3回…
ENGINE ROOM
エンジン・ドライビング…
エンジン・ドライビング・レッスン2019 受講生募集開始!!
ENGINE ROOM
ENGINE 2019年4月号
自動車用品からファッション、時計まで、ENGINE読者必見の新製品、新店舗、イベントなど耳より情報が…
NEWS
PSAのクルマ造りについて…
018年のパリ・モーターショウでドイツ・プレミアム御三家とともに多くのニューモデルを出展し、地元の…
NEWS
2019年から3ブランドで…
2018年のパリ・ショウで多くの電動化モデルを見せてきたPSA。その背景にはどのような問題が隠れている…
NEWS
ENGINE beat Music 2018…
ABBAのカバー・アルバムを発表したシェールと、トランプ政権を批判するアルバム『Walls』(壁)を作っ…
NEWS
ENGINE beat TRAVEL 2019…
10月に京都に開業した『ENSO ANGO』はコンセプトの異なる5つの棟で成り立つホテル。新しい発想で、京…
NEWS
レディー・ガガが映画に…
ポップス界のスーパースター、レディー・ガガが初主演した映画が、全米で大旋風を巻き起こしている。…
ENGINE ROOM
ENGINE 2019年4月号
今年もやりました! エンジン大試乗会!! 最新輸入車39台、ジャーナリスト28人が大集合。



バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



▼時計 最新5件
 CARL F. BUCHERER/カール F. ブヘラ
 PATEK PHILIPPE/パテック フィリップ
 BLANCPAIN/ブランパン
 ROLEX/ロレックス
 GRAFF/グラフ