モネガスク ビッグナンバー 文字盤のデザインはカジノのルーレットをモチーフにし、シリーズの世界観をより強調する。クラシックな2カウンタークロノグラフはユニークな45分積算を採用する。自動巻き。ローズゴールド、ケース直径44mm。359万1000円。
ブルゾン31万800円、シャツ2万5200円(ともにダンヒル/リシュモン F&A ジャパン Tel.03-4335-1755)
“洒脱”な“本格”の腕時計
スイスでも数少ない、ヒゲゼンマイからすべてを作れるトゥルー・マニュファクチャラーの時計は、伝統に縛られたコンサバティブなものが多い。持つ者の個性を主張するアヴァンギャルドな本格機械式時計を探しているなら、ロジェ・デュブイの新作「モネガスク」をまず見てみてほしい。
文=柴田 充 写真=近藤正一 スタイリング=安部武弘
名作と呼ばれる逸品には伝統が宿る。クルマも時計もしかり。それは革新を続けてこそ得られる栄誉であり、そこには同時代性も欠かせない。そんなスイス時計の伝統を守りつつ、現代のアヴァンギャルドへと時空を超えて魅力を研ぎ澄ませるブランドがある。ロジェ・デュブイだ。
新体制になり3年目を迎え、満を持して登場したニュー・ライン「モネガスク」はその証明といえる傑作だ。ブランドのオリジンである「シンパシー」のデザインをモチーフに、ゴージャスな存在感を残しつつ、ケースの厚みを抑えることで端正な洗練を増している。大きさと薄さという絶妙なバランスが現代的なドレッシーを感じさせるのだ。さらにカレンダーを省いたクラシックなスタイルも優雅を添える。
香り立つラグジュアリーはこうした意匠にくわえ、本格技術に裏付けられている。搭載するキャリバーは自社開発、製造を貫き、ジュネーブ・シールの刻印が刻まれる。スケルトンのケースバックからは手作業による美しい装飾と、精緻を極めた技術が覗き、ここでもジュネーブの時計製造の伝統が息づいているのだ。
モネガスクとは“生粋のモナコ人”を意味し、モンテカルロに象徴される洒脱なライフスタイルをテーマにする。革新性とクラフトマンシップが織りなすオリジナリティはこれを具現化するとともに、いまを生きる男たちを虜にするのである。
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モネガスク オートマティック(ローズゴールド・ケース)ゴールドケースの四隅にはブラックDLCを施したチタンベゼルを組み合わせ、エレガントなコントラストを醸し出す。中心から放射状に広がる開放感あるフェイスデザインもブランドアイコンのひとつだ。自動巻き。ケース直径42mm。233万1000円。
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モネガスク オートマティック(ステンレススティール・ケース)ノンカレンダーのスモールセコンドという伝統的なドレスウォッチのコードを守りつつ、スレートダイアルからはコンテンポラリーなモード感が漂う。60ミニッツに配したワンポイントのレッドがスポーティを演出。自動巻き。ケース直径42mm。136万5000円。
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高次元のバランスの秘密は、ケースのなかにある!
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全製品がジュネーブ・シールを取得する!
ジュネーブ・シールは1886年に制定された、スイス時計の最高品質を証明する技術認定である。ジュネーブ州内で組立・調整され、12の技術基準を満たさなければならないなど審査は厳格で、取得ブランドも限られる。全製品取得はロジェ・デュブイのみだ。
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全パーツを作る自社一貫生産メーカー!
本社ビル内の工房は2001年にオープンし、2005年にはさらに拡張された。ここでは独創的なダブルフライングトゥールビヨンはじめ、わずか10数年の間に30種以上もの自社製キャリバーが生まれてきた。その数もさることながら、時計の心臓部であるテンプとヒゲゼンマイまでも自社で開発製造する完全なマニュファクチュールを誇る。
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※価格は雑誌掲載当時のものです。
2011年12月号掲載