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今もスピルバーグが面白い!


『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』に出演したことがきっかけで知り合った女優のケイト・キャプショーとは1991年に結婚。今もおしどり夫婦のままだ。
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2作品が続けて日本に上陸

1970年代より世界的なヒット作を放ち続ける、ハリウッドの帝王、スティーヴン・スピルバーグ。彼がつくった対照的な2作品がこの春、日本で続けて公開される。
文=永野正雄(本誌)

 世界で最も有名な映画監督、スティーヴン・スピルバーグの作品はざっくり2つのジャンルに分けることができる。インディ・ジョーンズなどに代表される大作系娯楽映画、そして『カラー・パープル』や『シンドラーのリスト』のような社会派ドラマだ。
 ニクソン政権とワシントン・ポスト紙の攻防を描いた『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はもちろん後者に属する。ペンタゴン・ペーパーズとは1967年当時、米国防長官の指示で作成された文書のことで、そこには政府が国民を欺きながら、ベトナム戦争において軍事行動を拡大していた事実が記されていた。
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 内部リークによって存在が明らかになった機密文書の扱いをどうすべきか?
 この難局に直面したのがワシントン・ポストのキャサリン・グラハムである。亡き夫の跡を継いで新聞社の社主となった彼女は、会社の命運をも左右しかねない判断を迫られる。
 ニクソンを辞任に追い込んだウォーターゲート事件の前日譚ともいえるこの物語は、報道の自由を脅かす現トランプ政権への痛烈な批判とも取れる。力強いメッセージを持った知的な作品だが、そこはスピルバーグ。メリル・ストリープとトム・ハンクスという2人の名優の力も借りながら、緊迫感漂う第一級の社会派サスペンスに仕上げた。


ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
アメリカ政府がひた隠しにした機密文書、ペンタゴン・ペーパーズの存在を最初にすっぱ抜いたのはニューヨーク・タイムズ。だがニクソン政権が国家の安全を脅かすという理由から記事の差し止めを裁判所に要求。その後、同じく機密文書を入手していたワシントン・ポストが、掲載の判断を迫られることとなった。なお映画は、2月に授賞式が行われたアカデミー賞で作品賞候補にあがったほか、主演のメリル・ストリープが21回目の女優賞候補となった。トム・ハンクスが演じたワシントン・ポストの編集主幹、ベン・ブラッドリーは、ウォーターゲート事件で陣頭指揮を執った人物だ。116分。配給:東宝東和。3月30日より全国ロードショー。


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 翻って『レディ・プレイヤー1』は、ヴァーチャル・リアリティ(VR)を題材としたSF大作である。寝食以外は“オアシス”と呼ばれるVRの世界で一日の大半を過ごすようになった人類。人々はそこで戦士を演じ、勝者は現実世界でも富を得る。だが“オアシス”の開発者が急死、その遺言が公開されたことから、人々は巨額の富と権力を求めて“オアシス”に用意された謎解きレースに参加する。
 この作品、技術の早すぎる進歩に警鐘を鳴らす硬派なSF映画か……と思って観てみたら、さにあらず。80年代のポップカルチャーにオマージュを捧げる、カラフルで楽しい作品だった。
 何でもありの“オアシス”に現れるのは、50代以上の観客が狂喜乱舞する懐かしい映画のモチーフの数々。全編を彩るのは、ヴァン・ヘイレンなどのヒット曲で、日本人があっと驚くアニメ・キャラまで登場する。
 思えば本作で重要なカギを握る“オアシス”の開発者は、そのままスピルバーグに被さる。それは子供の頃の夢をいつまでも持ち続ける、才能ある大人のクリエーターの姿だ。大出世作『ジョーズ』の公開から43年。いまだ衰えぬそのパワーには驚くばかりだ。


レディ・プレイヤー1
原作は2011年に発表されたアーネスト・クラインの『ゲームウォーズ』。映画と同じく、1980年代の映画のキャラクターやモチーフが全編にちりばめられ、その中にはスティーヴン・スピルバーグも含まれるという。映画でも多くの作品が様々な形で登場するので、それを見つけるのも本作の楽しみのひとつだ。ヴァーチャル・リアリティの世界で壮大な謎解きに挑戦する主人公を演じるのは、『X-MEN: アポカリプス』に出演していたタイ・シェリダン。若手キャストにはさほど有名ではない、フレッシュな役者たちがあえて選ばれた。120分。配給:ワーナー・ブラザース映画。4月20日より全国ロードショー。

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