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話題のミュージカル『ビリー・エリオット』が開幕


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第1幕のクライマックスとなる「怒りのダンス」。ビリー・エリオットが約4分間、タップの技術を駆使しながら一人で踊る。劇中、最もハードな見せ場だ。ビリー・エリオットを演じる少年5人は、1346名の応募があったオーディションで選ばれた。ビリー役は前田晴翔。撮影:阿部高之

炸裂するエネルギー!

ブロードウェイとウエスト・エンドを席巻したミュージカルの日本キャスト版が幕を開けた。舞台の成否を分けるのは、主役を演じる少年のダンス。果たしてその結果は……。
文=永野正雄(本誌)

 イングランドの貧しい炭鉱町で、家族の猛反対にあいながらも、11歳の少年がバレエ・ダンサーを志す……。世界中で大ヒットした2000年の映画『リトル・ダンサー』を舞台ミュージカル化した『ビリー・エリオット』。エルトン・ジョンが音楽を手掛けた本作は、2005年のロンドン、ウエスト・エンド公演、続く2008年のブロードウェイ公演でも大旋風を巻き起こし、ローレンス・オリヴィエ賞、トニー賞といった演劇賞を総なめにした。
 その日本キャスト版が、TBS赤坂ACTシアターで幕を開けた。ビリーを交代で演じるのは、一般のオーディションで選ばれた小5から中3までの5名。いずれも無名の少年で、この1年間、ビリーを演じるための厳しいトレーニングに励んできたという。
『ビリー・エリオット』は母を亡くした少年と、父親の絆の物語でもある。父親役は益岡徹(写真)と吉田鋼太郎のダブル・キャスト。撮影:田中亜紀
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ビリー・エリオットの踊りの才能を見抜く田舎のバレエ教師役を演じる島田歌穂(柚希礼音とのダブル・キャスト)。バレエ教室の少女たちによる、溌剌としたダンスと芝居も本作品の見どころのひとつである。ビリー役は木村咲哉。撮影:阿部高之
 だが海外で本作を観た人は、少なからずこう思ったはずだ。主人公のビリー・エリオットを演じられる子供が、本当に日本にいたのか? 何しろビリー役の少年は、約2時間半の間、ほぼ出ずっぱりで、歌と芝居はもちろん、難易度の高いバレエ、タップ、ジャズダンス、ヒップホップ、器械体操などをこなすことが求められるのである。しかし劇場に足を運んで、その心配が杞憂だったことが分かった。舞台の上に堂々と立っていたのは、日本の少年による、紛れもないビリー・エリオットだったからだ。
 筆者が観たのは5名のキャストの中でも最年少の木村咲哉。やり場のない不安を全身で表現する「怒りのダンス」や、ダンスへの熱い思いを伝える「エレクトリシティ」など、小さな身体が、舞台上で力強いエネルギーとなって炸裂する。もちろん少年の踊りは粗削りで、時に危うさを感じさせる。だがこの未完成な粗削りさこそが、舞台上でリアルな輝きを放ち、これからまさに未知の世界へと羽ばたいていこうとするビリーの姿に重なるのである。
 聞けば、ほかの4人の子役もそれぞれに個性が異なり、ストリート・ダンスに親しんできた子もいれば、タンゴが得意な子もいるという。5人の子役がいれば5人のビリー・エリオットが生まれる。今度はそのことを確かめに、2度、3度と劇場に足を運んでみたくなった。
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第1幕の『団結を永遠に』より。本作の演出を手掛けたのは映画『ビリー・エリオット』の監督でもあるスティーヴン・ダルドリー。
舞台版は権威ある英国のローレンス・オリヴィエ賞とアメリカのトニー賞で、ミュージカル作品賞を受賞。ビリーを演じた子役6人も、それぞれの賞で主演男優賞を受賞という快挙を成し遂げた。ビリー役は加藤航世。撮影:阿部高之

ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー』 問い合わせ=ホリプロチケットセンター TEL.03-3490-4949
※上演は東京・TBS赤坂ACTシアターで10月1日まで、大阪・梅田芸術劇場 メインホールで10月15日〜11月4日まで。
 
 
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