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映画「ベイビードライバー」


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『ベイビー・ドライバー』 8月19日より新宿バルト9他全国ロードショー 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

全米熱狂のカーアクション映画が上陸

天才的なドライビング・テクニックを持つ若者を主人公にしたアクション映画が、全米で大ヒットしている。その面白さのヒミツは、カーチェイスと音楽の融合にあった。
文=永野正雄(本誌)

 銀行強盗犯が現場から逃げ去るのに最も適しているのはどんなクルマか?
 監督のエドガー・ライトいわく、「街中を普通に走っていて、交通の流れに溶け込むような白やグレイ、赤のクルマ」  具体的な車種では、スバル・インプレッサWRX、シボレー・アバランチ、三菱ギャラン。いずれもライト監督の新作『ベイビー・ドライバー』に登場するクルマである。
 主人公は、天才的なドライビング・テクニックを駆使し、銀行強盗犯の逃亡の手助けをする若者ベイビー(アンセル・エルゴート)。裏稼業から足を洗うために彼が引き受けた最後のミッションを描いた本作は、7月に全米で公開されるや、観客と批評家の双方から熱烈な賛辞をもって受け入れられた。そしてその賛辞の最大の理由が、これまでの作品とは一線を画すカーアクションにあるのだ。
 ドリフトやJターンをふんだんに取り入れた本作のカーアクションの多くは、できるだけ長いワンテイクで撮影されたものである。短いカットをつないだ編集で誤魔化さない臨場感にシビれるが、これらのシーンを更に特別なものに仕立てているのが、ライト監督が脚本執筆時から決めていたという、劇中の“音楽”である。
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イギリスの映画監督エドガー・ライトが本作のアイデアを思いついたのは20年以上前。人気ロック・バンド、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの『ベルボトムズ』を聴いて、この曲にあわせたカーチェイス・シーンをつくりたいと考えたという。本作では『ベルボトムズ』のほか、クイーンの『ブライトン・ロック』など、監督こだわりの30曲以上が流れる。主演は『きっと、星のせいじゃない。』で注目されたアンセル・エルゴート。ケヴィン・スペイシー、ジェイミー・フォックスといったオスカー俳優が脇を固める。113分。
 幼少時の交通事故が原因で耳鳴りが止まらない主人公ベイビーは、耳鳴りを消すために運転中も常にイヤホンをしている。そんな彼の耳に響いているのが、ロックやソウルの名曲たち。これらの音楽のメロディやリズム、ビートが、神業的なハンドルさばきを見せる主人公の運転にそのままシンクロし、音楽とカーアクションがまるで渾然一体となったかのような印象を観客に与えるのである。「昔からずっと音楽が原動力になるようなアクション映画を作りたかった」と話すライト監督。彼が完成させたのはまさに、ドライブの高揚感を視覚と聴覚に伝える、近年稀に見るクールでスタイリッシュなカーアクションなのである。
 
 
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