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40号車は、ロータス・ヨーロッパS!


LOTUS EUROPA S/ロータス ヨーロッパ S



新車価格 684万6000円
導入時期 2007年9月
走行距離 8028km




サーキットの狼から公道の狼へ


第1回「愛の新車大賞」第2位!
ロータスの最新スポーツカー、ヨーロッパSが長期リポートに新登場。
文=今尾直樹(本誌) 写真=小林俊樹

ロータス道を行く
 2006年9月、ルクセンブルグで開かれたロータス・ヨーロッパSの国際試乗会に私は参加し、ヨーロッパSでヨーロッパをガソリンが空っぽになるまで激走した。にもかかわらず、エクシージSみたいに腰が痛くなることはなかった。エリーゼ、エクシージに次ぐ第3のモデルたるヨーロッパSは、トラック(サーキット)走行向けの過激度強化一本やりだったロータスが、日常性と実用性方面の間口を広げようと送り出した、彼らにとって新セグメントのスポーツカーなのだった。
 幸いなるかな、わがENGINE編集部に輸入元のエルシーアイからヨーロッパSが1年間貸与されることになった。07年2月登録の元広報車である。ボディ・カラーはメタリックのナイトフォール・ブルー。夜の帳の落ちた藍色は、FRPボディの密度を濃くして、なんだかとってもステキだ。発売当時の定価は664万6000円。ポンド高のため07年6月1日をもって684万6000円に値上げされている。ややこしいことに、日本向けはその後、6月に登場した豪華仕様の「LX」がスタンダードになっている。ダッシュボードまで革張りで、トランク・ルームにレザー製小物入れバッグが並ぶヨーロッパS LXは698万2500円。約15万円プラスで、さらにハデで魅力的になったのだ。
 とはいえ、写真でご覧のごとく、元広報車のヨーロッパSも十分ゴージャス。ドアを開ければ、ブラック&タンの2トーンのレザー内装が目に飛び込んでくる。ヨーロッパの試乗会にはなかった組み合わせだ。
 
(写真下)4cm低いサイド・シルにより乗降性向上。
(写真下)4cm低いサイド・シルにより乗降性向上。
 とめないでほしい。私はこれからロータス・ヨーロッパSを愛馬としてロータス武者修行に出かけようと思う。じつのところ、どこへ行けばいいのかわからない旅だ。我と思わんロータス道の修行者は、自薦他薦問わず、編集部までご連絡をいただきたい。愛馬ロシナンテ号とともに駆けつけ、ロータスとは? コリン・チャプマンとは? スポーツカーとは? 等々を語り明かし、もってロータス道を究めようではありませんか。と書いておいてなんですけど、筆者は話好きではありません。1時間ぐらいでけっこうです。


(写真右)オペルの2Lターボの後ろの荷室はエリーゼ系よりグッと広い。
(写真右)オペルの2Lターボの後ろの荷室はエリーゼ系よりグッと広い。


わずかな違いが大きな違い
 ここにとり出だしたるは06年9月、ルクセンブルグで開かれた国際試乗会のときのノートである。復習しようと思うのである。
 ロータスの現行ラインアップは、下からエリーゼS、同R、エクシージ、同Sの4モデル。エリーゼSからエクシージSへと向かうにつれて、トラック(サーキット)志向を強め、ハード・エンスージアスト向けとなる。ヨーロッパSはこのラインとは異なる、ロータスがこれまで見逃していたマーケットを開拓すべく、つまりはトラック・カーではない、ロード・カーとして開発された。
 シャシーは革命的に画期的だったエリーゼ系のそれと同じ。アルミ押し出し材を接着剤で接合した、超軽量バスタブ型シャシーを持つ。ただし、乗降性を容易にすべく、サイド・シルはエリーゼ比4cm低められ、ドア開口部が大きくなった。わずかの違いが大きな違い。これにより、乗り込むときも降りるときも、シルに足が引っかかることがなくなった。
 装備面では、エリーゼ系ではオプション扱いだったエアバッグやレザー内装、電動ウィンドウ、エアコン、ABS等が標準とされた。これらの標準装備化もあって、車重はエリーゼの860kgから995kgに増加した。とはいえ、現代のクルマとしては依然として超軽量であることは間違いない。想定ライバルとしてポルシェ・ケイマン、アウディTT、アルファ・ブレラの3台の名前をロータスはあげている。それぞれの排気量、最高出力、車重、0-100km/h加速をロータスの資料で比較してみる(最高出力の単位はいずれもイギリス馬力)と――。
  ケイマン、2.7リッター、245馬力、1340kg、6.1秒。
  TT、3.2リッター、247馬力、1430kg、5.9秒。
  ブレラ、3.2リッター、273馬力、1630kg、6.8秒。
  ヨーロッパS、2リッター、197馬力、995kg、5.87秒。
 ヨーロッパSは排気量が最も小さくて馬力も低い。けれど、圧倒的に軽いがゆえに最も速い。TTより0.03秒、アラン・ラッドの早撃ちみたいに速いのである!
タイヤはBSポテンザRE040、前175/55、後225/45の17インチ
タイヤはBSポテンザRE040、前175/55、後225/45の17インチ。エクシージSと較べるとグッとしなやか。
 2330mmのホイールベースはエクシージ比30mmだけ長くなっている。これはオペル・アストラ用の2Lエコテック・ターボを搭載すべく、リアのサブフレームを伸ばしたためだ。ロータスがつくったオペル・スピードスターの経験が生きているはずだが、99年に発表されたスピードスターは2.2リッターで5MT、エアコンは装着できなかった。200ps/5400rpmと27.7kgm/5000rpmを発生する2Lターボは6MTとの組み合わせで、100km/h巡航は2400rpm。エクシージSは同3000rpmで、高速道路ではラジオが聞きにくかったけれど、ヨーロッパSは音楽が楽しめる。2000rpmにして最大トルクの80%を生み出す低中速トルク豊かなエコテック・ターボが快適性の面で効いているのだ。
 2330mmのホイールベースはエクシージ比30mmだけ長くなっている。これはオペル・アストラ用の2Lエコテック・ターボを搭載すべく、リアのサブフレームを伸ばしたためだ。ロータスがつくったオペル・スピードスターの経験が生きているはずだが、99年に発表されたスピードスターは2.2リッターで5MT、エアコンは装着できなかった。200ps/5400rpmと27.7kgm/5000rpmを発生する2Lターボは6MTとの組み合わせで、100km/h巡航は2400rpm。エクシージSは同3000rpmで、高速道路ではラジオが聞きにくかったけれど、ヨーロッパSは音楽が楽しめる。2000rpmにして最大トルクの80%を生み出す低中速トルク豊かなエコテック・ターボが快適性の面で効いているのだ。


「愛の新車大賞」第2位!
「愛の新車大賞」第2位!。
事実上エリーゼの着せ替え版ながら、まったく異なる、抑制された美を見せる。


 前175/55、後ろ225/45の共に17インチのBSポテンザRE040はオペル・スピードスター用に開発されたものだ。エリーゼの16インチではなく、17インチが選ばれたのはスタイリング部門からの要請だったという。フロント・タイヤが細身のせいか、前195/50R16のエクシージSよりステアリングが軽い。ロック・トゥ・ロック2.8回転、パワー・アシストなし、は同じ。
 ヨーロッパSはGT的ではあるが、ソフトなロータスではない。さて、復習はこのくらいにして、明日から実習に出かけよう!
 
 
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バックナンバーページの定価表記について
「ENGINE 2014年3月号」以前の定価表記は、発売時の定価になっております。
予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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