アストン・マーティン・ラピードは、期待を遥かに超える出来栄えだった! |
ASTON MARTIN RAPIDE
走りも麗しい アストン・マーティンの歴史上初の4ドア・スポーツカー、ラピードがついに完成して、 試乗する機会がやってきた。果たして、それは見目麗しい姿にふさわしい俊馬だった。 文=齋藤浩之(本誌) 写真=アストン・マーティン・ラゴンダ・リミテッド
「イングリッシュ・ウェザーになってなんだか申し訳ないね」と、本社広報のキム・パーマーは笑った。 1月の半ば、英国ウォリックシャー州ゲイドンにアストン・マーティン本社を訪ね、これからいよいよラピードに乗れるというのに、早朝から冷たいシャワーが降り注いでいた。 約束の朝一番に本社に着いて玄関に連なる大ホールで最新のアストンを見較べていると、キムは「すぐ製品開発部長のイアン・ミナーズが来るから、ここで待っていてくれ」と言って、小部屋に案内してくれた。そこに、完成したラピードがあった。 2009年の晩夏にフランクフルト・モーターショウで正式発表された後、仕様確定作業に忙しかったアストン・マーティンはメディアを呼んで、未だ内装が完成していないプロトタイプに同乗走行の機会を与え、 貪欲にフィード・バックを集めた。本誌からは副編の村上がそこに馳せ参じて報告をお届けしたから、ご記憶のことと思う。あれから4カ月。最後の開発成果が、いま目の前にあるラピードに織り込まれている。 ほどなく部屋に現れた長身の製品開発部長は、にこやかな笑みをたたえながら、挨拶もほどほどに、ラピードの説明にとりかかった。 「われわれはこの数カ月の間に徹底的に詰めの開発を行ったんですよ」と切り出したミナーズ氏の説明は、簡にして要を得たものだった。 大きな弧を描く美しいサイド・ウィンドウは、リア・ドアのガラスがBピラーを覆って隠すようになっている。フレーム・レス構造のウィンドウだから、300km/hを超える最高速度を誇るラピードでは、十分なシーリング性能を達成するのが難しい。前後のドア・ガラスの接合部分もそうだが、ルーフとガラスの密着度も高める必要がある。ドアの開閉時、ガラスは数mm自動的に下がってボディ側シール材との干渉を避ける。近年のサッシュレス・ウィンドウのクルマでは当たり前の措置だけれど、ラピードでは走り出すとさらに数mmガラスが上がってシールにく い込み、万全の密閉度を得られるように工夫が凝らされているという。 説明しながらミナーズ氏が後席のドアを開けた瞬間、僕は思わず吸い込まれそうになった。目が釘付けになった。 この続きは発売中のENGINE4月号をご覧ください。
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