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SLKベースの2座クーペ、クライスラー・クロスファイアに乗る。


CHRYSLER CROSSFIRE
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CHRYSLER CROSSFIRE



高速ツアラーなのであった!


メルセデスとクライスラーのシナジー効果第1弾、クロスファイア、490万円がニッポン上陸。
アウディTT、アルファGTV、日産Zのニッチ・マーケットをうかがう
文=今尾直樹(本誌) 写真=小林 稔



24ヵ月

 クライスラー・クロスファイアは2001年の北米国際自動車ショウにコンセプト・カーが出品されて絶賛されるや、即座に生産化を決定、24カ月で量産モデル発売に至った、アメリカン・ドリーム・マシンである。コンセプト・カーで魅力的だった2分割フロント・ウィンドウと縦にプロジェクター・ランプを2個並べたヘッドライトが量産型に生かされなかったのは残念至極ではある。けれど、大きく張り出したリアのフェンダー・パネルがコンセプト・カーそのままだし、なにより名前の由来となった、ドア・ミラーの下でフロントの凹面とリアの凸面の切り替わりを残しているのがエライ。
 わずか24カ月で量産モデルを開発できたのは、ひとつにはメルセデス・ベンツのSLKをベースにしているからだ。クロスファイアの全長×全幅×全高は4060×1765×1305mmで、SLKとほぼ同サイズ。2400mmのホイールベースはまったく同じ。タイヤ・サイズの違いで前後トレッドは異なるものの、V6エンジン、5AT、サスペンション等、コンポーネントの39%をダイムラー・クライスラーがすでに持っていたテクノロジーを適用しているのだ。
 その意味で、クロスファイアはメルセデス・ベンツとクライスラーが合併したことによって生まれる新しい機会、アメリカン・デザインとドイツのエンジニアリングの幸福な結婚を世に喧伝する打ち上げ花火の役割も担っている。
短いリアのオーバーハング
短いリアのオーバーハング。年産2万台。04年の日本向けは200台。
クライスラーのディーター・ツェッチェCEOは、これを「規律ある情熱の具体化。これぞ勝利の方程式」と呼んでいるという。ホントは「勝利の組み合わせ」だけど、意訳しました。
 ツェッチェCEO率いるクライスラーは04年、いよいよ反攻に出る。日本市場においても春にはPTクルーザーのカブリオレを、秋には5.7リッターのヘミ・エンジンを搭載した300Cセダンを送り出してくる。クライスラーはアメリカン・ドリームのエッセンスを打ち出し、ニュー・プレミアム・ブランドへの第1歩を踏み出す。クロスファイアは記念すべき、その1作目なのである。
「ボート・テイル」と呼ばれるお尻
「ボート・テイル」と呼ばれるお尻。


ボクスターの2倍

 アメリカン・ドリーム・マシン、クロスファイアの見どころは、前述したように、その「ゴージャス」で、「大胆」、「感動を呼び起こす」、「過去と未来のつながり」と「クラフツマンシップ」を感じさせるスタイリングにある。かぎかっこ内の言葉はすべてクライスラー提供。
 コンセプト・カーを量産化する手法は、すでにダッジ・バイパーやプリマス・プロウラー、PTクルーザーで繰り返されて来た、いわばクライスラーのお家芸。とはいえ、つねに問題となるのは、コンセプト・カーのデザインをどこまで量産モデルに反映させるか、であろう。
 クロスファイアでは開発から生産までを一貫してドイツのカルマン社に丸投げ、は小泉首相、依託、米国サイドにドイツのエンジニアも加わって混成チームをつくり、ごく少人数で取り組んだという。そして、単一仕様のワールドクラスのスポーツ・クーペを完成させたのである。
 リブ付きのボンネット、ドア・ミラーの下で切り替わる凸と凹の面、大型のリア・フェンダー(プレス工程6回!)、フロントのバンパーからルーフを経てリア・エンドまで一貫するセンター・スパイン(背骨)・ラインなど、ケレンたっぷりの2座クーペが誕生したことはまことに喜ばしい。とりわけボリューム感のあるリア・スタイル、90km/hでせり上がるスポイラーも、グッとくるものがある。前18、後ろ19インチの巨大なタイヤを見よ!
おなじみのメルセデス製V6SOHC
おなじみのメルセデス製V6SOHC。
 パワートレインはメルセデスの3.2リッターV6SOHC。最高出力218ps/5700rpm、最大トルク31.6kgm/3000〜4600rpmというスペックはSLK320などと同一。車重1400kgも同一なら、最高速242km/hも同一。手元にSLKのデータがないが、0-100km/h加速6.5秒も同じだろう。  いわばSLKのフィクスト・ヘッド・クーペだから、ボディ剛性の高さがSLK以上であるのは当然。来日したクライスラーのエンジニアによれば、ボクスターの2倍、911よりも高い数値を誇るという。



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