よりマイルドに、より過激に。
これで3度目となるV40 D4 Rデザインの限定車とこれで最後となるV60ポールスターをテスト。
文=上田純一郎(本誌) 写真=山本佳吾
毎年恒例となりつつあるボルボV40の限定車、D4 Rデザインの試乗会に参加した。今回の肝はECU変更によるパワー・アップに加え、従来オプションだった専用タイヤ、ホイール、ダンパー&スプリング、吸排気システム、リア・ディフューザーなど“ポールスター・パフォーマンス”という名のオプションがすべて装着されたこと。なお先日発表があったが、ポールスターはPHEVやフルEVの高級ブランドに転身。ポールスター・パフォーマンスの今後の位置付けも不明だ。加えてボルボ随一のスポーツ・モデル、S/V60ポールスターも今回が最後のモデルとアナウンスされた。
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価格はわずかに空力部品が追加されたS/V60ポールスターが859/879万円。V40 D4 RデザインTuned byポールスターが499万円(すべて税込)で、それぞれ20台、30台、50台の限定。
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V40と一緒に借り出したV60ポールスターは、ロード・ノイズの低減機構を備えたミシュランのパイロット・スーパー・スポーツを装着。確かに静かで大人びた感じだったけれど、速さも乗り味も昨年モデルと印象はさほど変わらなかった。けれどV40 D4 Rデザインは、乗ったら目が覚めた。通常のRデザインよりスプリング・レートは30%増しで、タイヤも225/40R18から235/35R19にサイズを変更。高速道路では金属継ぎ手ジョイントに過敏に反応して揺さぶられ、なにもここまでハードコアでなくとも、と音を上げそうになった。しかしひとたび箱根の峠道で右足をぐっと踏み込むと、ドンっと一気に車体が押し出されるのが、あいかわらずたまらなく刺激的だ。
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いまだクラス最大級の44.9kgmものトルクを受け持つには、これくらい引き締まった足の仕立ての方がイイ。燃費も高速巡航主体なら15km/ℓを下回らない。3度目の正直となるV40 D4 Rデザインは、迷ったら買いの1台。次があるかは分かりませんよ。