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キャディラックCTSに米サンフランシスコ近辺で乗る。


CADILLAC CTS/キャディラック CTS



アメリカの名門、世界へ。
びっしびし走るキャディラック・オーナーに!



プレミアム・ブランド市場隆盛に、アメリカの名門、キャディラックが立ち上がった。
後輪駆動の中型セダン、CTSは、その第1弾である。世界に通用する高級車めざして、
ベンチマークはBMW5シリーズ! その出来栄えやいかに? 日本でも近日発売。
文=今尾直樹(本誌) 写真=GMジャパン



キャディラック・ルネッサンス
 1月初旬、デトロイト・ショウが開かれているコボ・ホールの一室で、僕ら日本のプレス向けに設定されたキャディラックCTSのプレゼンが始まった。CTSの開発エンジニア、ジェームズ・E・テイラー氏のお話をまとめるとこんな具合。
 後輪駆動の中型セダン、CTSの役割は、「キャディラック・ルネッサンスのイニシエーション」。GMの狙いは、キャディラックの持つラグジュアリー性を復活させること。GMにとって、いまや商品が命。プロダクト、プロダクト、プロダクト!キャディラックは変革に対して真剣である。その第1弾であるCTSはキャディラックの従来のイメージを抜け出ていないといけない。


伝統の縦型テール・ライトを継承しつつ、新しい印象を与えるリア・スタイル。一目でCTSとわかる。
妥協なし、いいわけなし!
 ブランニューのアーキテクチャー、パーツ、サプライヤー、工場! CTSは次の3つの分野でライバルに勝たねばならない。
 (1)スタイル(2)性能(3)品質。
 まず、スタイル。3年前、このエッジの立ったスタイルで訴えようとしたら「クレイジー」だといわれた。しかし、これは伝統を捨てずに新しいスタイリングを打ち出す政策に基づく。「Vシェイプの中にキャディラックの100年が込められている」。
 FRレイアウトの採用で、ショート・オーバーハング、ロング・ホイールベースのヨーロピアン・フレーバーも加えてある。重要なのは、ライバルと想定するメルセデスやBMW、アウディとはディファレントであること。たしかに違っている。


CADILLAC CTS/キャディラック CTS
(写真左)フロント・シートは大柄。お尻のカタチに堅くなっている
(写真中)後席は必要十分だが、基本は前席優先。室内はやや暗い。
(写真右)フロント・シートは大柄。お尻のカタチに堅くなっている。
元はオペルの54°V6DOHC。ビート感がある。
 パワートレインは、もともとオペルやサーブで使われていた54度V6を大幅に見直した。3.2リッターは223ps、日本、欧州向けの2.6リッターは185ps。5ATはBMW5シリーズ向けにつくられていたGMストラスブール製。イメージ・リーダーとして、5速のゲトラグ製マニュアル・ギアボックスも用意される。キャディラックのMTはじつに50年ぶり。
 衝突安全性にももちろん配慮し、欧州の評価基準で、前面衝突は4つ星、側面衝突は5つ星に匹敵する。ABSや自動安定装置、スタビリトラックも備えている。
 3つめの品質に関しては、ミシガン州ランシングに新工場を建設。サターン以来、GMにとって15年ぶりの新工場で、投資額は6億ドル。従業員の国籍は21カ国におよぶという混成部隊はチームワーク重視。結果は非常に良好で、この3月に出るJDパワーズの調査報告を待っているところだという。
 日本仕様は、前述したように2.6リッターと3.2リッターの2本立て。03年モデルはレザーが標準。ナビはVICS付きになる。全長は4850mmとやや大型だが、最小回転半径は5.3mと小回りが利く。サスペンションは日米欧と基本的に共通。03年の導入分についてはすべてスタビリトラック付きのスポーツ・サス、社内コード、FE3となる。タイヤについては日米は同じ。欧州は異なる。
 ビックリしたのは、1年後に3.6リッターのブランニューV6を投入する、と発表したこと。最高出力は260ps。さらに今後、BMWのMシリーズのような高性能版、Vシリーズも準備中。CTSには5.7リッターのV8、ということはコルベット用が搭載される!


CADILLAC CTS/キャディラック CTS
(写真左)デザインが簡素になった新バッヂ。デトロイト市を開拓したキャディラック家の家紋に由来している。
(写真中)ホイールは前後とも17インチが標準。ダンパーはザックス。
(写真右)本国では昨年発売され4万7000台が売れた。価格は2万9000ドルから。ユーザーの平均は52歳と、ドヴィルの65歳から若返った。


 CTSのボディ・サイズは、全長4850×全幅1795×全高1460mm。ホイールベース2880mm。ベンチマークにしたという現行5シリーズより75mm長く、5mm狭く、25mm高い。ホイールベースは50mm長い。つまり、ちょっぴり大きい。車重は1660kg(3.2リッター)。ちなみにBMW530iは1590kg、メルセデスのハイテクE320は1680kgだから、ちょっぴり重め。
 価格は日本市場で500万円以下を予定。BMW330iが560万円、530iだと613万円もすることを考えると、GMがCTSをエントリー・ラグジュアリー・セダンと呼ぶ所以がわかる。
 では、その出来栄えやいかに?



CADILLAC CTS/キャディラック CTS


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