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第3のスカイライン、クロスオーバーが新登場!


日産スカイライン・クロスオーバー
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NISSAN SKYLINE CROSSOVER
日産スカイライン・クロスオーバー
全長×全幅×全高はそれぞれ4635×1800×1575mm。全高以外はセダンより小さく、実はコンパクト。3.7リッターV6の最高出力は330ps/7000rpm、最大トルクは36.8kgm/5200rpmを発揮する。組み合わされるトランスミッションは7段ATである。2駆、4駆とも豪華仕様のタイプPには自車を俯瞰して見られる駐車ガイド機能付きのアラウンド・ビュー・モニターが標準で付く。価格は420万円(370GT)〜499.8万円(370GT FOURタイプP)。





これはシューティングブレイクだろうか。


サルーン、クーペに続いてスカイライン・シリーズに追加されたクロスオーバー。
クーペ・スタイルのSUVというBMW X6ばりのコンセプトのスカイラインってどんなクルマなの?
文=塩澤則浩(本誌) 写真=小林俊樹



 アメリカで販売されているインフィニティEXが日本でも発売された。日本名はスカイライン・クロスオーバー。その名のとおり、セダン、クーペに続くスカイラインの第3の派生車種で、車高を上げたSUVである。クロスオーバーといえばセダン、あるいはワゴンとSUVの融合というのが普通だが、スカイライン・クロスオーバーの場合はクーペとSUVである。
 前後オーバーハングを切り詰めて四隅にタイヤを置き、キャビンを後寄りにしてノーズの長さを際立たせ、リアを滑らかにスラントさせたスタイルはカッコいい。同じクーペ・スタイリングのBMW X6が小山のように見えるのに対して、セダン比プラス125mmに抑えたSUVとしては異例に低い1575mmの全高のおかげで、スカイライン・クロスオーバーはスマートに見える。
日産スカイライン・クロスオーバー
 確かに個性的でカッコいいが、正直に告白すると、実は、乗る前はネガティブなことばかり考えていた。恐竜絶滅隕石説にたとえていうなら、リーマン・ショックという隕石で自動車を取り巻く環境が一変してしまった今は、発売のタイミングが悪すぎやしまいか。エンジンは3.7リッターで330馬力もあるから好燃費は期待できない。価格は2駆の一番安いので420万円。4駆の最豪華モデルは499.8万円もするから、恐竜みたいに生き残れないんじゃないか、と思ったわけだが、いざ乗ってみると、そんな思いがいっぺんに吹っ飛んでしまうような魅力的なクルマだったのだ。

セダンより高級

 富士の裾野、御殿場で行われた試乗会でまず乗ったのはFRの370GT。走りはじめてすぐに気がつくのは乗り心地の良さだ。クーペはいうに及ばずセダンと比べても明らかにしなやかさが増している。プラットフォームも共通なら足回りも基本的に同じ。マルチリンク式のリア・サスペンションの取り付け位置がSUV用に若干変更されているだけだが、超扁平タイヤの乗り心地を研究し尽くしているだけあって、バネ下が重くなる大径のオールシーズン・タイヤをバタつかせることなく履きこなしている。重厚かつしっとりとしており、これなら乗り心地はセダンより高級である。
日産スカイライン・クロスオーバー
 3.7リッターV6は日産のお宝だけあってスポーティだ。型式のVQ37VHRのHRは高回転(High Revolution)の略で、7500rpmまで回ることを指しているが、街乗りで普通に走っている分にはスポーツ心臓であることを意識させない。しかし、いったん右足を踏み込めば猛然と加速し、淀みなく7500rpmのリミットまで回ってみせる。そんな時でもクーペと比べるとエンジン音は控えめだ。刺激的ではあるけれど、適度にミュートされた音はクールという言葉がピッタリくる。
 雨と濃霧という生憎の天候だったことで撮影を優先したため、本格的なワインディングを攻めるチャンスはなかったが、低重心が功を奏して御殿場のちょっとしたカントリー・ロードをけっこうなペースで楽しむことができた。ロールも自然で、ステアリングを切った分だけリニアにクルマが向きを変えてくれる。FRならではの楽しさだ。この後4駆モデルの370GT FOURにも試乗したが、プラス90kgの車重と4駆化にともなう操舵フィールの違いもあり、軽快さは明らかにFRの方が上だった。雪道を走る必要がなく、ハンドリングを楽しみたいならお薦めは断然FRである。
 走りがいい。乗り心地も高級とくれば気になるのは内装だろう。ナビゲーションやオーディオなどのスイッチ類の配置こそ同じだが、ほとんどが専用デザインの室内はラグジュアリーの一語に尽きる。特に本革や本木目があしらわれたタイプPは豪華である。クーペよりタイトで包まれ感があると思ったら、頭上高以外の室内長はクーペより狭かった。SUVといえば家族で荷物を積んで、というイメージだが、このクルマにファミリーは似合わない。オトナのクルマ好きが1人、あるいは2人で乗るのが似合う。たとえていうなら現代に生まれた新しいシューティングブレイクだろうか。


日産スカイライン・クロスオーバー
ブラウンの本革と本木目のウッドパネルが随所に奢られた、まるでイギリスの高級車のようなタイプPの室内。タイトさがかえって心地いい。一応5人乗りだが、後席はおせじにも広いとはいえない。床面が高く、天井高が低いこともあって荷室の容量は推して知るべしである。前後重量配分を考慮してフロント・ミドに搭載された3.7V6。



(2009年10月号掲載)
 
 
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