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マツダ・ロードスターRHT、デビュー!


MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top/マツダ・ロードスターRHT
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MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top/マツダ・ロードスターRHT
ボディ・カラーは、ソフト・トップと同様、ブラック、レッド、シルバー、ブルー、グレー、ワインレッドの6色から選ぶことができる。全長×全幅×全高=3995×1720×1255mm。ホイールベース=2330mm。試乗車のロードスターRHT(5MT)の車重は1130kg。最高出力は170ps/6700rpm、最大トルクは19.3kgm/5000rpm。価格は、ロードスターRHTが240万円(5MT)と250万円(6AT)、RS RHTが270万円(6MT)、VS RHTが270万円(6MT)と280万円(6AT)。



おおらかに行こう


デビューして1年経った3代目ロードスターに
待望のパワー・リトラクタブル・ハード・トップが登場。
文=塩澤則浩(本誌) 写真=神村 聖


 1989年のデビュー以来、オープンカー・ファンから絶大な支持を得て、世界で最も売れた2人乗りオープンカーとしてギネスブックにも載っているマツダ・ロードスター。2リッター直4エンジンに軽量コンパクトなオープン・ボディ。そして後輪駆動という組み合わせがスポーツカー好きにうけて、06年6月の集計では世界累計生産台数で77万台を記録した。
 そんなロードスターに、電動でハード・トップを開閉する「パワー・リトラクタブル・ハード・トップ(RHT)」が追加された。レース入門用のNR-Aや限られたエンスー向けだったクーペと違って、素のロードスター(5MT&6AT)、RS(6MT)、VS(6MT&6AT)のすべてにRHTを設定して、ロードスターのラインナップを一気に倍増してしまったのだから、今回のマツダの意気込みは相当なものだ。
 実は、RHTの開発は3代目ロードスターと同時にスタートしていた。では、なぜこんなに完成が遅れたのか。開発スタッフの答えは、それだけ難度の高いチャレンジだったから。目標は、(1)ロードスターらしいデザイン。(2)荷室に影響しないルーフ収納。(3)世界最速の開閉速度。(4)ライト・ウエイト・スポーツの4つ。
MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top
MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top
 ルーフを荷室に収納するのは簡単。ヨーロッパのクーペカブリオレ(CC)はほとんどがコレ。当然、オープンだと荷物が積めない。そこでルーフを折り畳んでシートバックのスペースに収納した。車両重心近くに収納できれば前後重量配分も最適化できるし、運動性能的にも理に適っている。そのために燃料タンクの形状を薄くし、設置場所を前にずらした。結果はルーフのスペースが確保できたばかりか、ソフト・トップより3.5リッター荷室が広くなっているというから驚きである。
 RHTの開閉時間は、現時点では世界最速の12秒。単純に作動スピードを上げたいなら大きなモーターがいいが、力があるのでリンク類を太くしなければならず、重くなる。そこで、小さなモーターを要所要所で4つ使い、軽量化を目指した。ルーフ本体は、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)と呼ばれる樹脂製のアウターに、強度の高いガラス繊維強化ポリプロピレンのインナーを直貼りしている。重量増はソフト・トップ比37kg。5MTの素のロードスターで車重1130kg。十分ライト・ウエイトである。


作動音の静かさは驚異的

 試乗会場の駐車場で世界最速ルーフを試してみた。ハザードの両脇にあるオン・オフ・スイッチで操作する。12秒は確かに速い。速さにも驚いたが、作動音の静かさは驚異的である。ウィーンなんていう安っぽい機械音はナシ。動きもスムーズでしっかりしている。ルーフを開けたり閉めたりしながら、RHTを眺めるポジションを探してみたが、ベストは後斜め45度くらい。キュッとコンパクトなキャビンが強調されて、飛行機の風防のように見えてカッコいい。
 試乗会が行われたのは芝浦で、撮影場所に選んだお台場までレインボーブリッジを行ったり来たりの試乗となった。乗ったのは5MTの素のロードスターRHT。たった37kgの重量増でも、最適化のために足回りのセッティングを130通りも試したというだけあって、走りはロードスターらしくきびきびしている。
MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top
MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top
 ルーフを閉じたままレインボーブリッジを渡ってお台場周辺をドライブしてみたが、ソフト・トップより室内は静か。しかし、それはあくまでも同じロードスターどうしを比べた時のこと。アウターにインナーを直貼りしただけの遮音材を持たないルーフは、ヨーロッパ製のCCほど静粛性は高くない。ルーフ越しに、レスポンスのいい2リッター直4DOHCのエグゾーストノートを楽しんでしまうくらいのおおらかさが、このクルマと付き合うには必要だと思う。ライト・ウエイト・スポーツとしてクルマを操る喜びは、高価なスポーツカーにも引けをとらない。もともとロードスターはそういうクルマなのだから。

MAZDA ROADSTER Power Retractable Hard Top/マツダ・ロードスターRHT
世界一をうたう開閉速度は12秒。最後のロックは、安全装置的意味合いもあって、手動で行なう。全高はソフト・トップより10mm高い。リア・フェンダーやトランクなど、ボディの後半部分はRHT専用設計。ソフト・トップよりコンパクトなキャビンがRHTのデザイン上のポイント。クルマ全体が引き締まって見える。



(2006年12月号掲載)
 
 
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