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Aクラスのお兄さん、Bクラスがやってきた!


MERCEDES-BENZ B-Class/メルセデス・ベンツBクラス
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MERCEDES-BENZ B-Class/メルセデス・ベンツBクラス
ウェッジを強調したサイドのプレス・ラインとフェンダーまわりのがっしり感が印象的なBクラス。全長×全幅×全高=4270×1780×1605mm(写真のB200ターボ、およびスポーツ・サスペンション仕様は10mm低い1595mm)。全長はCクラスより280mm短いけれど、2780mmのホイールベースは、Cより65mm長い。Aクラスゆずりのサスペンションはフロントがセレクティブ・ダンピング・システム付きストラット、リアは独特のスフェリカル・パラボリック・スプリング・アクスル。電動パワステは自然なフィール。ESPと連係して操舵トルクを調整する機能付き。



便利でカッコいいのが功名が辻


昨年のジュネーブ・ショウで発表された、Bクラスが1月23日から
発売開始となった。これって、ちょっと大きなAクラス?
文=今尾直樹 写真=望月浩彦


Aより出でてCより広い

 Bクラスの特徴は、Aクラスのホイールベースをイッキに210mmも伸ばしていることに尽きる。初代Aクラスのロング・ホイールベース版は175mm長かったけれど、そのような数字がややこしい人向け(私)にはしょると、BはCクラスより全長はうんと短いのに、ホイールベースはCよりちょっぴり長いのである。全長とホイールベースは自動車の階級を表すモノサシのひとつだが、BはAより出でてAより広いのは当たり前だが、上位のCよりも広いわけで、ここに下克上が起きている。Bクラスの功名が辻である。
 基本的に実用車でありながら、Bはメルセデスのスポーティ系グリルとウェッジ・シェイプを強調したダイナミックなスタイリングも持つ。スリー・ポインテッド・スターは山内家の紋所、丸に三つ葉柏と似ておるではないか。って関係ない話。便利さとカッコよさは反比例しがちだが、そこをうまいことやっている。ここがBクラスの功名が辻である。
 というように、Bクラスはメルセデスの階級組織からちょっぴり逸脱している、ともいえる。「人生は、もっと自由だ。」というCMコピーのゆえん。もっともこのコピー、日本専用で、ドイツ人には通じないらしい。
 技術的にはAクラス・ベースだから、A同様「サンドイッチ・コンセプト」のボディ構造をもつ。Aと共用の直4SOHCは、共用だから当たり前だが、前面衝突時にフロア下に潜り込むように前方に58度傾斜している。フロントのボンネットを開けると、インテークが高いところにあって、エンジン本体は下のほうで息を潜めている。これは落っこちるのを待っているワケである。当然、落っこちないにこしたことはない。
 Aと共用だから当たり前だが、エンジンはすべて58度前傾の直4で、日本仕様は1.7リッター(116ps)、2リッター(136ps)、2リッター・ターボ(193ps)の3本立て。搭載するエンジンに合わせて、それぞれB170、B200、B200ターボと呼ばれる。価格は下から299万2500円、346万5000円、393万7500円で、同じエンジンを積むAより、ざっと50万円弱高い。


MERCEDES-BENZ B-Class/メルセデス・ベンツBクラス
MERCEDES-BENZ B-Class
エバった感じがしない

 用意された試乗車はベーシックのB170と高性能版のB200ターボの2種。先に乗ったのがB170で、運転席に座った第一印象は、Aクラスより広い、という当たり前のことであった。狭くちゃしようがない。後席はハッキリ広いです。乗り心地は低速だと硬めで、コツコツくる。ところが、西湘バイバスの連続する目地段差をダンダン通過しても、チョコッとハーシュネスがある程度で、なかなか快適。Aクラスとも共通の7段付きCVTはきわめてなめらかで、いい路面ではきわめてシームレスになめらかな乗り心地に大きく貢献している。ボディの剛性感は、さすがメルセデス、ビシッとしている。エンジンはつねにビーンといううなり音を発している。踏めばなおさら。静かとはいえないが、そのうなり音は澄んでいて清明。メルセデスの非力なモデルは昔からそういう傾向があるが、運転していてエバった感じがしない。ドライビング・プレジャーがあるくらい実用の道具に徹している。
 Bクラスの場合、おそらくクルマから降りて振り返ると、ああ、自分はこれに乗っていたんだ、とハッとされると思う。その実用道具フィールに反して、BはAにもましてスタイリッシュだから。もちろんカタチのことゆえ、好みはあるでしょう。でも、全高が1605mmもあるのにウェッジ・シェイプで、タイヤの存在が強調されていて、スポーティ。新種のクルマだけにどんな人が購入するかは不明だが、郊外に住むオシャレな奥様はもちろん、国産派にも説得力があるのでは?
 なお、写真のメインとした赤いB200ターボ。ターボといってもハイウェイ・クルーザー・タイプで、高速移動がお好きな方向け。こんなに背が高いのに、山道を苦にしないのはアッパレである。

MERCEDES-BENZ B-Class/メルセデス・ベンツBクラス
写真左から。シルバー・ボディはB170。山道でも安定している。B200ターボのエンジン。193ps、28.6kgmで車重1440kgを走らせる。運転席まわりはAクラス似。ダブル・フォールディングの後席。座面が取り外せフラットな荷室が現れる。助手席も前にほぼフラットに倒れる。後席中央バックレストのみ倒すことも可。後席空間はEクラス以上。



(2006年4月号掲載)
 
 
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