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メルセデスの4ドア・クーペ、CLSのAMGバージョンに乗る。


メルセデス・ベンツCLS55 AMG
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MERCEDES-BENZ CLS55 AMG/メルセデス・ベンツCLS55 AMG
全長×全幅×全高=4915×1875×1390mm。ホイールベース=2855mm。車重=1940kg。エンジン=5.5リッター・スーパーチャージドV8SOHC。最高出力=476ps/6100rpm、最大トルク=71.4kgm/2650-4000rpm。車両価格=1396.5万円。



これぞAMGのなかのAMG!


2月に日本上陸したメルセデス・ベンツの過激な4ドア・クーペ、
CLSクラスの最上級グレードに位置するのがCLS55AMGだ。
5.5リッター・スーパーチャージドV8を搭載する最過激車の乗り味や、いかに?
文=村上 政(本誌) 写真=望月浩彦


SL55AMGと並ぶ存在

 下はCクラスから上はSクラスまで、今やメルセデスのほぼすべてのレインジに用意されるAMGのなかでも、もっともAMGらしいAMGといえば、SL55と並んで、このCLS55に尽きるのではないか。
 上陸したばかりのCLS55に乗り、好奇とも羨望ともつかぬ視線を浴びて走りながら、そう考えた。
 両者に共通するのは、実用車としての機能を究めたメルセデスのラインナップにあって、そもそもがスタイル優先のクルマだということ。ともすれば、露悪趣味とも受け取られかねないほどの自己主張を、ノーマル状態から発散している。それだけにAMGの大きく口を開けたエアダム・スカートや派手なアルミホイールがついても、まったく違和感がない。
 威張りが様になっている、とでも言えばいいのか。本来、過剰ともいうべきAMGの装飾が、当然のようにうまく納まり、迫力と美しさを醸しだしている。とりわけ、まるでデザイン画そのままのような流麗なプロポーションを持つCLSの場合は、トランク・リッドにお尻をキュッと上げて見せる小さなリア・スポイラーがついたり、両側2本ずつ4本出しのエグゾースト・パイプが突き出したりしていた方が、アクセントがついて美しさが引き立つようにも思えるのだ。
メルセデス・ベンツCLS55 AMG
MERCEDES-BENZ CLS55 AMG
決してジャジャ馬ではない

 とはいえ、Eクラス・ベースのCLSに、476ps/71.4kgmの5.5リッター・スーパーチャージドV8は、どう考えたって過剰である。動力性能的には、350の3.5リッターV6、272ps/35.7kgmでも十分なのだから。
 それでも有り余るほどのパワーとトルクをしっかりと手なづけ、決してジャジャ馬にはしていないところにメルセデスの非凡を見出さざるを得ない。アクセレレーターを徐々に踏み込んでいくと、476psという数字がウソのような穏やかな走り出しを見せる。昨今のアクセレレーターのピックアップが異様に過敏なクルマに比べたら、ワンテンポおいて動き出す感じが、むしろ鈍いと思う人がいたっておかしくはないほどだ。
メルセデス・ベンツCLS55 AMG
インテリアではメーター文字盤がホワイトになり、シートの座面と背にナッパレザー、ショルダー部にアルカンタラを使った専用シートが奢られる。
 硬さを3段階に調整可能なエアサスを使った足まわりは、ノーマルを選んでもかなり硬めだし、フロント255/35、リア285/30という極太超偏平の19インチ・タイヤを履くこともあり、路面の細かな荒れをかなり拾うが、乗り心地は決して悪くない。当たりが柔らかなのだ。一番硬いモードを選ぶとほとんどロールしなくなるが、それでも乗り心地は犠牲にされない。
 速度感応式のパワー・ステアリングは、とろけるように滑らかな操舵フィールを持つ。ロック・トゥ・ロックは約2.5回転。低速時には指を添えるだけで回せるほど軽いが、走り出すとダイレクト感のある、しっとりした重さを帯びてくる。上部スポークの裏のシフト・スイッチを使えば、5速ATをマニュアル操作して、スポーティな走りを楽しむことも可能だ。
 だが、油断することなかれ。調子に乗ってアクセレレーターを踏み過ぎれば、ドドドドッと独特の音を立てて加速するV8の巨大なトルクが地面を掻きむしり、ホイールがスピンを起こす。とはいえ、そんな時でもインパネのESP(自動安定装置)の作動を示すマークが点滅するだけで何事も起こらない。そうであっても、このAMGのなかのAMGを操る時には、そんな無粋な場面には遭遇しない節度感を持ちたい。過ぎたるはなお及ばざるが如し、を実践しているようでは、AMGの価値を自ら貶めているようなものである。

メルセデス・ベンツCLS55 AMG
外観上のノーマルとの違いは、大きなエアインテークを持つフロントスポイラー、力強い造形のサイドスカートとリアスカート。トランクリッドには小さなスポイラーが付き、エグゾースト・パイプは両側2本ずつの4本出しになる。アルミホイールは5本スポークの19インチ。



(2005年6月号掲載)
 
 
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