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206RCのエンジンを積んだ307CC S16に乗る


プジョー307CC S16
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430.5万円。全長×全幅×全高=4380×1760×1435mm。5ドア・ハッチバックの307より170mm長く、95mm低い。ホイールベース=2610mm。メタル・トップの開閉時間は25秒で、時速10km/h以下なら実行可能。トランク容量はクーペ状態で350リッター、オープンで204リッター(VDA)。



運転好きのあなたに。


電動メタル・ルーフを持ったオシャレな4人乗りカブリオレ、307CCにホットな1台が加わった。箱根を舞台に開催された試乗会からの報告。
文=荒井寿彦(本誌) 写真=神村 聖
11年連続アップを目指す

 93年から10年連続で国内登録台数を延ばし続けている絶好調プジョー、今年も昨年を上回る1万6000台を目標にしている。ちなみに、93年の登録台数は2217台だから、その勢いたるやすごい。11年目の目玉となるのは307CCだ。
 その高性能モデルとなる307CC S16の試乗会が神奈川県小田原市のホテルを拠点に開かれた。
 ハードウェアの見所はまずエンジン。
プジョー307CC S16
206RCと同じ2リッター直4は、可変バルブタイミング機構とデュアル・インテーク・システムを備え、最高出力はノーマルの307CCに比べ40psアップの177ps/7000rpm、最大トルクは1.2kgm増の20.6kgm/4750rpmを発生する。トランスミッションは307CCが4ATなのに対し、S16は5MTのみとなる。
 シルバーに輝く1台に乗り込み、おおっと思ったのは、黒と赤のツートーンのレザー・インテリア。筆者のマイカーはハッチバックの307だが、圧倒的にオシャレで高級感の増した内装に羨望とショックを受けた。もっとも、このレザー・インテリアは307CCの上級グレードに標準で備わる。むしろ、S16の特権は左ハンドルが選べることだ。307シリーズの右ハンドル仕様は、ガス・ペダルがやや左にオフセットしているが、左ハンドルの試乗車はペダル位置が適切で、ドライビング・ポジションも自然である。



プジョー307CC S16
インテリアは307CCプレミアムと同じレザー仕様となる。4種のカラー・バリエーションが用意され、写真の赤と黒の組み合わせは“フュージョン”。ただし、左ハンドルが選べるのはS16のみ。搭載される2リッター直4エンジンは206RCと同じ。最高出力177ps/7000rpm、最大トルク20.6kgm/4750rpmを発生する。5MTのギアボックスも基本的には206RCと同じだが、ファイナルが3.947から4.294とローギアード化されている。205/50ZR17のピレリPゼロ・ロッソは、当りがソフトで静か。


5000rpmから上が楽しい
 メタル・トップを下げ、箱根ターンパイクを目指した。見所のエンジンだが、出足は思ったほど鋭くない。車重はハッチバック比190kg増の1490kg。もう少し低速トルクが欲しい、というのが第1印象である。
 しかし、吹け上がりは滑らかで、排気音がカーンと甲高くなる5000rpmからのパンチは、まさに目が覚めた感じで痛快だ。一度発奮するとレッドゾーンまでハッスルし続けてくれるので、いかに回すかが、307CC S16を元気良く走らせるコツである。
 トップ・エンドのおいしいところを味わうのに、5MTはうってつけだ。ガス・ペダルを踏み込む右足とクルマの動きが、4ATモデルよりダイレクトに感じられるのもスポーティでいい。S16のアルミ製シフトノブの操作感は軽く、シフトの手応えがしっかりしているので、エンジンをガンガン回して峠道を走っていると、やっぱりクルマはマニュアルだよなあと、つくづく思う。
 100km/hの回転数は5速3050rpm、4速3850rpmで、4ATモデルは4速で2750rpmだからS16は低めのギア比となっている。
 大きなガラス・ルーフを持つワゴン、307SWと共通のサスペンションはS16用にチューニングされているものの決して固くなく、動きは非常にしなやか。ATモデルより1インチ・アップされた205/50ZR17タイヤの効果もあって、ロード・ホールディングは素晴らしく、コーナーでは4輪がガッチリと路面を捉え続ける。307CCよりひとまわり大きいローターを備えるS16のブレーキは効き、ペダルの剛性感ともに申し分なく、安心して飛ばすことができた。油圧アシストのパワー・ステアリングの操作感も極めて自然だ。切った分だけ素直に曲がり、操作に対する反応の遅れもない。メタル・ルーフを上げると重心高が上がり、ロールが大きくなるので、走りを楽しむためにも開けた方がいい。
 S16だからといって快適性は犠牲になっていない。路面の継ぎ目や段差を舐めるように通過し、速度とともにフラット感が増す素晴らしい乗り心地である。また、風の巻き込みが非常に小さく、4枚のサイド・ウィンドウを上げていれば100km/h巡航でも髪が乱れることがないのは307CCと同じだ。
 価格は430.5万円。同じ内装の4ATモデル、307CCプレミアムより29.4万円高い。しかし、運転好きなら、カーナビ付き307CCよりS16がいいのではないか。
 
 
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予めご了承くださいますようお願い申しあげます。



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